コロナという試練によりもたらされた介護現場でのAI利活用ポイントとは?
新型コロナウィルスがもたらした介護業界の大きな変化
新型コロナウイルス拡大により、私たちの生活様式は大きく変化しました。直接会って何かをするという機会が減り、コミュニケーション量も少なくなっています。人と人との物理的な距離が生まれる状況の中で、これまで意識していなかった人と人との心の距離までも広げる結果となりました。
そんな中で、オンラインによるテレビ会議システム等の急速な普及・拡大により、これまでと変わらない人と人との距離を保つための方法を試行錯誤し始めています。
介護現場においても、同様に大きな変化を迎え、オンライン化が進行しています。具体的には、
ご利用者と家族との面会
介護スタッフ向けの研修
遠隔でのテレビ会議
申し送りや情報共有
などが代表的な例です。
これらは、一方的な情報提供ではなく、双方向もしくは参加型のICT利活用が充実してきています。コロナという試練により、介護業界全体に、強制的にテクノロジー導入が進んだのではないでしょうか?
介護業界の課題解決にどう挑むのか?
介護業界の最大の課題は人材不足です。その人材不足を解消するために、AI・ICTの利活用が議論され続けています。
これまでは、介護者に代わり支援して行く方針で、腰痛負担低減や見守り負担軽減のため、それに置き換わるテクノロジーの研究開発が進んでいました。
しかしながら、状態が十人十色と言われるご利用者に対して汎用的に適応できるテクノロジーの開発は難しく、多くの現場に定着していないというのが現状です。
介護は、人の手だからこそ提供できる介助やサービス、またご利用者へのきめ細かい心配りなど対人援助が欠かせません。
故に数値などで業務効率化を図るのが容易ではない業種といえます。そうした介護業界においてICT活用の流れが進む中、注目されているのがAIです。
介護現場でのAI利活用は難しいのか?
AIは、何でも叶えてくれるであろう「ドラえもん」のように空気を読んだり、困りごとを察して、人手不足の解消や業務効率化の問題を解決してくれると期待されがちです。
一方で、得体の知れない「AI」がどのように私たちの困りごとを解決してくれるのだろうか?と疑心暗鬼になっている声も聞きます。今も介護現場では同じような心境の方が多いのではないでしょうか?
しかし、大きく心配する必要はありません。
これまで触れることの少なかった「AI」に正しく向き合い、理解することで、介護現場でも正しく効果的にAIを使うことができます。
ここでは、私たちがAIプロダクト開発に関わる中でわかった、AIの利活用の二つ大切なポイントをご紹介します。
一つ目は、介護スタッフが介助に関わる時間、お客様と向き合い、関わりにやりがいを感じる時間を創出することです。AIによる恩恵を単純に『生産性改善』や『業務効率化』に結びつけてしまうと、サービスの質の低下につながる、と誤解されることがあります。AIがケアの非接触部分をサポートすることによって、介護スタッフが介助に関わる時間を創出する、AIが気づきや申し送りを助けることで、ご利用者の安心・安全、QOL向上につながる、こうした部分にこそAI利活用の意味があると考えています。
二つ目は、「人間にできないことはAIにはできない」ことです。つまり、解決してほしい課題や目的がハッキリとしていないとAIは利活用できません。エクサウィザーズでは、人ができることの中でも、特に、人間しかできないと考えられてきた勘や経験の部分にAIを活用し、アシストできる形で見える化することにより、バラツキのない誰でもできるケアを提供できる土台を支援し、その上で、個別かつ専門性の高いケアを提供し支援する「人のできることを拡張させるAI」に注目しています。
まとめ
正しいポイントをおさえて、介護現場でのAI利活用を考えると、現場に役立つプロダクトはまだまだたくさん考えられるのではないでしょうか。
人の手によって提供されるサービス以外の、間接的な業務をまずは改善し、ご利用者に関わる時間を増やすこと、そういった考えのもと、私たちは現場に役立ち定着するプロダクトを作り続けたいと考えています。
■私たちが提供するAIプロダクト『CareWizトルト』