ご利用者から信頼される福祉用具相談員になるためのポイント
福祉用具相談員がご利用者と接点を持つ機会は、主にモニタリングと担当者会議が多いかと思います。
モニタリングに関しては、介護保険法で定められている半年に1回という頻度が一番多いケースと考えられ、頻度高くご利用者とコミュニケーションが取れないというのが実情かと思います。
今回は、限られたご利用者とのコミュニケーションの時間の中で、ご利用者からの信頼を獲得するポイントをお伝えします。
モニタリングは、用具点検になりがち?
ケアプランに沿った介護保険サービスの提供の中で、モニタリングはご利用者の福祉用具の適合や点検がメインの業務であり、訪問の際はそれだけで終わってしまうことも多いのではないでしょうか?
1人あたりで担当しているご利用者も多数いるとなると、なおさらひとりひとりに十分な時間は取れません。
ただでさえ半年に1回という頻度の中で、このモニタリングの場を活かさない限り、ご利用者からの追加での信頼を得るのは難しいです。
では、用具点検以外で何をポイントにしてご利用者に向き合うことが必要なのでしょうか?
ご利用者の本音が真のニーズ
モニタリングの際に、杖や歩行器を安全な状態で使えているかどうか、ベッドやその他器具で使いづらいところがないか等、ご利用者目線で考えてコミュニケーションを取っている方が多いと思います。
確かにその瞬間はご利用者にしっかり向き合っていますし、ご利用者のための行動になっていますが、本当の意味でご利用者に対しての最善の行動ができているとは限りません。
そのご利用者が福祉用具の利用を通じて何を目標にしているのか、どうなりたいのかを把握してアドバイスすることがご利用者のための行動と考えます。(ケアプランの目標を把握していることは大前提です)
そうなると大事になってくるのが、ご利用者からのヒアリングです。
ひとつ例を挙げます。「転倒しない在宅生活を送りたい」というニーズのご利用者がいました。モニタリングの結果、そのご利用者は福祉用具を適切に利用し、歩行状態が改善され、転倒なく自宅で過ごせている状態であることがわかりました。
一見すると、モニタリング結果から「転倒しない在宅生活を送りたい」というニーズは満たされていそうですが、その方は実際は現状に満足していませんでした。
そこでモニタリングの結果を踏まえ、歩行状態が改善され転倒の危険性が少なくなっていることを本人に示し、今の身体状況の中で何をしてみたいのかを改めて聞いてみました。
すると、「もっと歩けるようになって、ひとりで散歩や買い物をしたい」という本音を引き出すことができました。
歳が歳だからと諦めていたようでしたが、歩行状態が改善されているなら、と意欲的にリハビリにも取り組むようになったそうです。
もう一歩踏み込むひと手間
上記の事例からもわかる通り、いつものモニタリングで行うコミュニケーションだけでは、知りえないような本音やニーズが存在します。
以前と比べて良くなっているのか、現状はどういう状態で将来的にどうなるのかをコミュニケーションでご利用者に伝え、もう一歩踏み込んでヒアリングをすることで、本人が本当に求めている目標を知ることができます。ヒアリングが得意出ないスタッフには”ヒアリングシート”などを作成してオペレーションに組み込むのもおすすめです。
忙しい中のひと手間は、とても大変なことかとは思います。
ご利用者の信頼を獲得することは、ご利用者の満足度を向上させることだけでなく、ケアマネからの信頼獲得にも繋がる重要な要素です。
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ぜひ、次のモニタリングからあと一歩踏み込むヒアリングをしてみてください!