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【インタビュー】はじめての施設長体験記

はじめに

これから施設長としてキャリアアップしていきたいけど不安を抱えている人、後任として誰かを施設長に任命したいけどなかなかいい人がいない、いても承諾してもらえないという方も多いのではないでしょうか?

そこで今回は施設長経験がある作業療法士のAさんに、施設長になったきっかけや大変だったことについてインタビューをしてみました。

一人の方の事例ではありますが、少しでも皆さんの参考になると嬉しいです。


25歳で急遽、施設長に。

ー簡単に初めて施設長になるまでの経緯を教えてください。

Aさん:回復期の病院で3年働いた後に、半日型のデイサービスに転職しました。その半日デイでは、入職後1ヶ月ほどで主任になり、そこから3ヶ月後くらいに当時の施設長が異動するということで、まだ25歳だった私が施設長に任命されることになりました。それが初めての施設長経験ですね。

ー25歳の施設長はとてもお若いですよね。なぜAさんだったんでしょうか?

Aさん:今振り返ると、「誰かが抜けた時に、どの業務でも最悪なんとかできる人」ということで私だったのかなと思います。当時の私は多少ですがパソコンも使えて、請求管理、利用者管理も前任の施設長とともに少しやっていたんです。さらにセラピストということもあってケアマネジャーとの連携や信頼関係もそれなりにできていたんですよね。

それでおそらく前任の施設長がこいつならまあなんとかなるだろうということで、私が任命されたんじゃないかと思います。


地域・社会への影響を重視し施設長を引き受けた

ー施設長というと、とても大変なイメージですがどうして引き受けたんですか?

Aさん:これは自分の原体験がきっかけになっているんです。一番最初に勤めていた回復期の病院で自分が担当していた患者さんで、非常に元気になって退院した人がいたんですよ。若いこともあり「自分が良くしたんだ」なんて思ってました。退院した後は訪問看護を受けられていたんですけど、半年後、訪問担当者に「そういえばあの元気で退院した人最近どう?」て聞いたら「最近は寝たきりになってしまって。。」と返ってきたんですよ。

もちろんしょうがない部分もあったのかもしれないですが、これには本当にびっくりして、無力さを感じました。とてもショックでした。それで1対1で患者さんに向き合うのももちろん大事だけど、それでは救いきれない人がいる。何が起きているのかを肌で感じて、地域や社会自体を変えていかないといけないと思いました。

管理業務の延長線上で、この思いを実現できるかもしれないと思い、施設長の話があった時は引き受けました。


早く慣れるのに大切なことは、施設長が現場に出ないこと

ーはじめての施設長時代、大変だったことはありますか?

Aさん:いっぱいあります(笑)パッと思い浮かぶことは2つあります。

1つめは朝イチの職員からお休みの電話がかかってくることですね。この電話で目を覚ますと最悪の目覚めですね。起きてすぐに、人員配置はどうするかとか、送迎の時間はどこを調整しなきゃいけないかとかを考えなきゃいけないんです。

2つめはやっぱり請求ですね。私がはじめて施設長になった時は事務員がいなくて、請求作成、チェックを私がやっていたんです。当たり前ですが、請求データは間違えられないので、休日出勤してセルフでトリプルチェックしてというのをずっとやっていました。

ーどれくらいで施設長業務には慣れましたか?

Aさん:色々大変でしたけど、なんだかんだ3ヶ月くらいで慣れましたね。

ー早いですね。何かコツとかあったんですか?

Aさん:そうですね、早く慣れた理由としては私自身が施設長として管理業務に振り切って集中したというのが理由だと思います。

結構あるあるなのが、施設長になっても現場に出たりしちゃうことなんですけど、これやると施設長しかできないことに集中できないので、結局施設長の業務に慣れるのが遅くなるんですよね。

私の場合は、徹底的に業務の仕組み化をして管理に集中していました。具体的には「〜さんは何を何時にしてほしい」といった指示や、その日の立ち位置とかまで細かく私の方で決めて私がいなくても問題なく施設が回るようにしていました。

これによって私自身が管理業務に集中できる環境になったので、早く慣れることができたんだと思います。


これから施設長になる人と、施設長を任命する人へ

ー最後にこれから施設長になる人と、施設長を任命する人に一言お願いします。

Aさん:これからなる人には、施設長になると違った景色が見られるので楽しんでほしいですね。現場にいると1対1で利用者さんを見ることがメインですが、施設長は地域や社会に目を向けられます。全く違う景色ですし、影響も大きいのでその環境を楽しんでほしいです。

任命する人にはもっと地域に目を向けて一人一人ではなく、「地域・社会を変えてほしいと」いう視座をあげる一言を候補の方にかけてあげてほしいです。どうしても施設長って大変なお仕事なので、こういった想いがないと任命を受けてくれないですし、なった後に本人が辛いですから。


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