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あなたの事業所は選ばれていますか?短い時間で効果的に体験してもらう方法

年度替わりが近づくと、みなさんが勤めている介護事業所(以下「事業所」)でも体験を希望する利用者が増えてくる時期かと思います。

利用者はいくつか事業所を見学する中で、最終的にひとつの事業所を選びますが、事業所のみなさんは何をポイントにして魅力を伝えればいいのでしょうか?

今回は、初めて会う利用者に対して、体験の限られた時間で事業所の魅力のアピールを実践できるポイントを3つお伝えします!

①事業所のアピールは、”設備”ではなく、”職員”であることを伝える
②利用が開始された後、最終的にどんな状態になるかをイメージしてもらう
③具体的な提案をするために、アセスメントを徹底する


①事業所のアピールは、”設備”ではなく、”職員”であることを伝える

そもそも利用者はどんな気持ちで事業所に足を運んでいるのでしょうか?
事業所の中に入ること自体が初めてという方もいるため、どんな雰囲気の場所なのか、どんな設備がおいてあるのか等、一般的には「見学」気分で来る方が多いです。

みなさんがまず意識するべきは、この場が「見学」ではなく、「体験」であるということです。
「見学」として、ただ事業所の特徴や設備を案内するのであれば、知見や経験のあるみなさんでなくてもパンフレット1枚でできます。
みなさんの貴重な時間を使って、せっかく利用者さんに説明するのであれば、「あなた(利用者)に向き合ってくれる”職員”がいますよ!」ということをぜひ意識してアピールしてみてください!
 

②利用が開始された後、最終的にどんな状態になるかをイメージしてもらう

では、利用者に寄り添う / 向き合ってくれる職員と思ってもらい、事業所を選んでもらうには、具体的に何をすれば良いのでしょうか。

それは、利用者本人と家族に対して、この事業所なら!という期待感を持ってもらい、通うイメージを膨らませるコミュニケーションをとることです。

体験の時点で、自分の状態変化への期待や目標を、初めから持っている方はかなり少ないです。
まず利用者に、自身の現状を知ってもらい、その現状がどのように良くなるか、あるいは維持できるかを説明することが必要です。
具体的なbefore / afterの状態を明示することが、利用者の期待感に繋がります。

そして、ここで大事になるのが、状態の「視覚化」と説明の「わかりやすさ」です。
一例として、弊社の「CareWizトルト」を利用した事例を紹介します。

■歩行状態の点数化
5mの歩行の様子を動画で撮影するだけで、速度、リズム、ふらつき、左右差の4項目をそれぞれ5点満点で点数表示します。
歩く様子の動画と合わせて、視覚化されることで現状の課題感が把握しやすくなります。

動画同時比較
例えば、体験の場で機能訓練を実施した場合、実施前と実施後に歩行動画を撮影しておくことで動画を同時比較することができます。
動画を並べて同時に観ることによって、点数以外の部分も含め、before/afterが一目瞭然になります。

■自動生成される結果シート
点数やグラフで視覚的にわかりやすいカラーの結果シートが自動で生成されます。
コメントやおすすめの運動の提案も自動で表示され、フィードバックや会話のきっかけに活用できます。
また、共有機能を使って家族やケアマネにも簡単に伝達できるため、本人の状態の説明が容易になります。

③具体的な提案をするために、アセスメントを徹底する

みなさんの提案が、利用者から「体験に来た全員に似たような提案をしているのだな」と思われては、せっかくの説明やコミュニケーションも水の泡です。
より具体的な提案をするために、利用者へのヒアリングを徹底しましょう。

普段の生活や身体状況に基づく困りごと、事業所やスタッフに何を期待しているのか等、利用者が他の事業所では話さなかったこと、思わず出てしまった本音をしっかり拾いあげること(=アセスメント)が重要です。

日常生活の様子は、その方に合った具体的なプランニングに落とし込む上で大切なポイントですし、
利用者の本音は、みなさん自身や事業所に対する信頼の表れを知る大事な指標のひとつです。

上手なアセスメントをするためには、経験の積み重ねが必要ではありますが、
上記のようなICTツールをきっかけとしたbefore/afterのコミュニケーションは、新人、ベテランに関係なく実践できます。
今できることの1つひとつの行動が、みなさんのアセスメント力を高め、利用者の深い理解に繋がります。

まとめ

体験は、単なる事業所見学ではありません。
実際のプログラムの体験や職員からの説明を通して、利用者本人がポジティブな気持ちになり、通うイメージを持ってもらうことが重要です。

限られた時間ではありますが、ツール等を上手く利用し、アセスメント結果をその場で明示することで、利用者に現状の把握をしてもらい、状態変化への期待感を持ってもらいましょう。

そして、最後にそれをオススメ・後押ししてくれるのは、ご家族ということも忘れてはいけません。

利用者本人に向けられたオリジナルの提案もさることながら、
それを「誰が(=信頼できそうな職員が)」提案し、「誰に(=ご家族に)」後押ししてもらえるかがポイントです。
しっかり利用者をアセスメントして、本人や家族にわかりやすく説明する、当たり前だけど実践が難しいからこそ、日々工夫して取り組む価値がありそうですね。