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元介護人材紹介エージェントに聞いた、採用に失敗する事業所と成功する事業所の違い


1.はじめに

介護事業所(以下、事業所)の運営をより円滑にし、利用者により良いケアを提供するためには採用が必要不可欠です。
とはいえ、事業所数の増加に伴い、介護職の有効求人倍率も近年上昇するなど競争も激化しています。

そのため、このようなお悩みを持つ方も多いのではないでしょうか?
・求人をたくさん出しているのに、なかなか応募が集まらない…
・エージェント経由の採用が中心で、採用費が嵩んでいる…
・採用してもなかなか定着せず、入っては辞めてを繰り返している…

そこで、本記事では
・採用に失敗する事業所と成功する事業所の違い
・今すぐ実践できる改善ポイント
を、元介護人材紹介エージェントのMさんへのインタビューを踏まえてご紹介します。

<Mさんのプロフィール>
新卒で、介護業界向け大手人材紹介企業に入社。
介護事業所・求職者双方への採用支援に従事したほか、営業企画なども担当。

2.採用に失敗する介護事業所がやりがちなこと3選

これまで多くの事業所の採用を支援してきた中で、採用状況が芳しくなかった事業所には以下のような傾向がありました。

◆退職が決まってから採用を開始する
事業所が厚生労働省の定める人員基準を満たさなくなってしまうと、人員基準欠如減算や指定の取り消しなどの罰則があります。
そのため、罰則を回避するために職員の退職決定後に欠員補充に動き出す事業所も多いのではないでしょうか?

しかし、退職が決まると早く採用しなければいけない焦りを生みます。
そして、採用基準を下げて採用した結果、また退職するといった負の循環に陥るリスクがあります。

◆即戦力の採用にこだわっている
資格を持っていて経験豊富な人材はどの事業所も採用したいと思うでしょう。
そのような即戦力人材は希少性が高い上にどの事業所も求めているため、採用難易度が非常に高いです。
即戦力人材にこだわり続けることで、転職市場にいる母数が少ない人材の採用競争に負けてしまい採用が進まないケースも多く見られます。

◆エージェント経由の採用比率が高い
エージェント経由の採用単価は求人媒体よりも高い場合がほとんどです。
そのため、エージェント中心で採用を進めることで採用コストが肥大化し、事業や職員への投資が減少してしまいます。
事業や職員への投資が減ると、利用者満足度の低下や離職なども引き起こすため、どこに投資するかは非常に大事なポイントです。

3.採用に成功している事業所が実践していること3選

前述の3つの傾向を踏まえて、採用に成功している事業所が実践していることをご紹介します。

◆退職の予兆を察知して、退職が発生する前に動き出す
採用に成功している事業所では、日頃から職員と面談などを通じてコミュニケーションを重ねており、退職の予兆に事前に気付いていました。
そして、予兆に気付いてすぐに求人を出稿したり情報をエージェントへ共有することで、エージェント側もマッチしそうな方を探すなど予め動き出せました。
事業所と候補者がお互いに納得できる採用を実現するためにも、早めの動き出しが大事です。

◆教育制度を整えて、経験が少ない方でも受け入れられる準備をする
資格や経験はなくても、介護業界で働くことに意欲的な方は多くいます。
資格や経験がない分、採用難易度は経験豊富な方ほど高くないため、経験が少ない方を育てられる環境があるかどうかが採用成功の分かれ道かもしれません。
教育マニュアルの作成や、メンター制度などを充実させることができれば、一気に採用のターゲットが広がります。
また、経験が少ない方がグングンと成長していくことが既にいる職員の刺激にもなり、組織全体を活性化させる効果も期待できるでしょう。

◆採用したい役職や職種に応じて採用媒体を使い分ける
費用を抑えつつも効率的に採用を進めるためには、採用したい役職や職種に応じた採用媒体の使い分けが必要不可欠です。
先ほどエージェント経由の採用単価は高いと紹介しましたが、転職市場にいる割合が少ない人材をピンポイントで採用するにはおすすめです。管理者・施設長を経験した方などは採用難易度が高い分、エージェントの力も借りることで採用できる確率も上がるでしょう。
一方で、一般職はできるだけ採用単価を抑えたいところです。求人媒体への出稿をしつつも、職員の知人を紹介してもらうなど人脈を活用した採用も検討してみてはいかがでしょうか。

4.まとめ

<採用を成功させるために実践すべきこと>
◆退職の予兆を察知して、退職が発生する前に動き出す
・日頃から職員とのコミュニケーションをとり、退職の予兆を察知する
・退職が発生する前に、求人の出稿やエージェントに情報を共有する
◆教育制度を整えて、経験が少ない方でも受け入れられる準備をする
・教育マニュアルやメンター制度など、職員を育成する仕組みを設ける
・資格や経験が少ない人材まで採用のターゲットを広げる
◆採用したい役職や職種に応じて採用媒体を使い分ける
・採用難易度が高い人材はエージェントと連携しながら採用を進める
・一般職のは求人や職員からの紹介などを活用し、採用単価を抑える

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