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ICTとIoTを前向きに導入できない理由は皆同じ 今から始めたって全然遅くない!=伊藤亜記

この記事を3行でまとめると

・これからの介護は、介護保険制度の維持と人材不足解消のために、より少ない人数で質の高い介護を提供することが必要

・生産性向上のためには、ICTの導入などで最新のテクノロジーやデータを活用することが不可欠

・ICT導入には「介護職員の業務改善」「お客様のQOL向上」など、5つのメリットがある

※以下、『介護ニュースJOINT』記事本文


2月の下旬、ICTとIoTの基礎検定初級を受検しました。【伊藤亜記】

受検のための勉強をする中で、「なぜICTとIoTの導入は介護現場で進まないのか?」を改めて考えてみました。

その理由は様々ですが、

「ICTやIoTの導入には高額な費用がかかるのでうちは必要ない」

「補助金などの情報収集ができていない」

「情報収集をしていても活用の仕方が分からない」

「アナログに慣れた介護現場にICTとIoTの受け入れが難しい」

「ICT、IoTを導入しても職員が活用できない」

などが主な理由だと思います。


これからの介護は、介護保険制度の維持と介護従事者不足を解消するために、より少ない人数で質の高い介護を提供すること(生産性向上)が必要です。そのためには、最新のテクノロジーやデータを活用することが欠かせません。必要な知識を習得し、柔軟かつ創造的にこれからの介護を支えていくことが、次の介護報酬改定でも求められるでしょう。


例えば記録や申し送り。ICTを活用することで、コミュニケーションがより効率化できるほか、職員同士でヒヤリハットにも気付きやすくなり、事故や苦情の防止に活用できます。


またお客様のQOL(Quality Of Life)向上においても、本人・家族の「お困りごと」「不安」「願い」をICTで共有し、ケアプランや介護計画書に反映することにより、機能訓練に活かし、活動量も増え、社会参加、生きがい作りなどにつながる効果も見込めます。


介護ロボットについては、介護の質の維持・向上を図りながら、介護業務の生産性向上に寄与することが期待されています。移乗支援、移動支援、排泄支援、見守り・コミュニケーション、入浴支援、介護業務支援などの例があるように、ロボット技術が応用され、お客様の自立支援や介護者の負担軽減に役立つ機器として、介護現場で幅広く活用されています。


2024年度の介護報酬改定まで、あと1年とわずかとなりましたが、前回の介護報酬改定では、


(1)ICTを利用した場合の居宅介護支援事業所の担当逓減制の緩和

(2)見守り機器を導入した場合の夜間人員配置の緩和

(3)会議や多職種連携におけるテレビ電話の活用

(4)諸記録の電磁的保存

(5)利用者の署名・同意の電磁的対応


などが実施されています。


ICTの導入メリットをここで改めてまとめると、

1. 介護職員の業務改善
介護現場にICTを導入することで、介護職員は、様々な記録・記入などの間接業務にあてる時間を縮減できます。これで創出された時間を使って、ゆとりを持ってお客様と接したり、他のケアに時間を活用したりすることができるようになります。

2. お客様のQOL向上
ICTを導入することで、特にコロナ禍で面会規制のあった施設のお客様は、ご家族とのオンライン面会を通じてQOLの向上が期待できます。

3. 多職種連携の促進
ICTを導入することで、様々な雇用形態・勤務時間・職種で勤務をしている看護職員、介護職員などが、情報をタイムリーに共有しやすくなります。

4. 職場コミュニケーションの円滑化
ICTを導入することで、普段対面ではコミュニケーションの機会が少ない職員同士でも、チャットやビデオ会議を使ってコミュニケーションがとりやすくなります。

5. コスト削減
ICTを導入することで、紙の印刷、郵便・郵送の負担が減り、印刷費、通信費などのコストも削減できます。

ICTやIoTを導入することは、介護現場の未来を創るためだけではなく、お客様や職員が安心できるケアを継続するためにも必須です。ベンダーにもお早めにご相談され、皆さんは補助金などを活用した導入計画を立てるようにされて下さい。


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